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品川裕香さん しながわ・ゆか ジャーナリスト、子ども・若者を巡る教育・社会問題を異文化理解・予防的観点から取材。最新著書は日頃の講演内容を収録した『LD・ADHD・アスペルガー症候群 気になる子がわくわく育つ授業』(小学館)。本誌に掲載されていた連載も大好評でした。
2010年8月のQ&A
2010.08.31
4歳の息子は、攻撃性が強くてすぐ噛みつくなどの問題行動も多く、もう育てる自信がありません......。
4歳の息子の件でご相談します。大人の指示を聞かない、いつも走りまわっている、攻撃性が強くすぐほかの子にかみついたりする、など問題行動が多く困っています。私の言うことはもちろん、主人の言うことも祖父母の言うことも聞きません。幼稚園でもみんなと一緒の行動が取れず、叱られてばかりです。ママ友にADHD(注意欠陥・多動性障害)と指摘され、ショックを受けています。このまま息子を育てる自信がありません。どうしたらいいのでしょうか? (埼玉県 トウマくんママ 29歳)

 トウマくんのことでとても思いつめておられることが伺われたので、トウマくんママにお会いしました。いろいろと話をしていて私が気になったのは、実はトウマくんの行動の背景に食事が絡んでいるのではないか、ということでした。聞けば、外食が多く、家で食べるときも子ども用に料理を作るのではなく大人と同じものを食べることがほとんどだとか。朝ご飯のときには、ロールケーキや菓子パンなど甘いものに炭酸水や果汁ジュースなどを好んで飲み、夜はピザやパスタなどが多いそう。また、キムチや塩辛など辛いものしょっからいものなども喜んで食べるそうです。
  子どもに限りませんが、糖分の摂りすぎで行動が多動的になったり、衝動性が強くなったりすることはエビデンスのあること。子ども行動に疑問を感じることがあれば、ADHDを疑うまえに食生活を見直してみてください。

2010.08.19
幼稚園で病院を勧められるほど落ち着きのなかった娘は、小学3年になっても変わらず困っています。
娘は私立小学校に通う3年生ですが、本当に驚くほど親の言うことを聞きません。小さい時からじっとできないし、買いモノをしていても欲しいものを買ってもらえないと床に寝転がって泣き叫ぶし、気になるものがあったら後先考えずに飛びつきます。乳児のころからそういう状況で、幼稚園の先生には「ADHDではないか」「精神科に行ったほうがいいのでは」同じ幼稚園に通うお嬢さんたちがみんな大人しくていい子だったので、親としてずっと情けない思いを抱えてきました。小学校にあがってからは、注意すると「わかっているよ」と返事だけはいいのですが、実際は馬耳東風の極致。担任の先生の話では、学校では結構いい子のようで、「そんな様子は見られない」そう。でも家では変わらないわけですから、やはり医者に行くべきでしょうか?(34歳 リンカちゃんママ 兵庫県)

 実は最近、こういうご相談が増えています。つまり、「じっとできない」「人の話を聞いていない」「好きなことには集中するが、興味のないことには見向きもしない」「すぐに泣きわめくなどパニックになる」ような言動を取る子はADHD(注意欠陥・多動性障害)ではないか、というわけです。
 安易にそういう発言をする教育関係者や医療・福祉関係者には要注意です。なぜならADHDは一つの生活場面の状況だけから簡単に診断できるものではないからです。また、たとえADHDだったり、その傾向があるからといって、即「精神科に行け」とか「うちでは見られない」というのはナンセンスも甚だしい。なぜなら、ADHDだったりADHD的だったりすればなおのこそ、その子のニーズを踏まえた教育的指導が必須だからです。そもそも小さい子は多動で衝動的なものです。だからこそ、健全な人格形成のためには"5、6歳の時期に、自分を律することを学ぶ必要がある"と言われているわけです。
 リンカちゃんの場合、確かに家では大変なのでしょうが、学校ではそういう様子は見られないとのこと。ADHDの課題は場面に応じて対応できない点にあります。ならば、原因は別のところにありそうです。ご夫婦の仲、祖父母との関係、父親と母親の言うことが場面によって異なる、妹や弟との関係、いじめや虐待などの暴力との関係など、医療機関に行く前に、今一度、整理し直してみてはいかがでしょうか。

 

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