質問募集中!品川裕香さんへのご質問はこちらからどうぞ。
品川裕香さん しながわ・ゆか ジャーナリスト、子ども・若者を巡る教育・社会問題を異文化理解・予防的観点から取材。最新著書は日頃の講演内容を収録した『LD・ADHD・アスペルガー症候群 気になる子がわくわく育つ授業』(小学館)。本誌に掲載されていた連載も大好評でした。
2010年6月のQ&A
2010.06.24
小学3年生の娘が「携帯がないといじめられる」と言っています。家の方針を変えた方がいいの?
私立小学校3年生の娘が携帯電話を欲しがります。同じクラスの中でも持っていない子のほうが少ないそうで、「携帯電話は絶対に必要」「持っていないといじめられる」と言い張ります。娘の登下校は私が送り迎えをしていることもあり、我が家では義務教育の間はキッズ携帯も持たせないと決めています。そのようにしょっちゅう言い聞かせているのですが、最近、娘は納得せず、家で荒れまくります。みんなも持っているし、持っていなければいじめられるのなら、勉強することなどを条件に携帯電話を持つのを許すべきでしょうか? (リカちゃんママ 35歳 東京都)
 みんなが持っているから持たせる」というのは、家庭で決めたルールを守るという観点からすると逸脱することになり賛成できません。もしお嬢さんがもう少し大きくなって「みんなと一緒に夜遊びしないといじめられる」などと言ってきたら、許しますか? 携帯電話と夜遊びは違う、とおっしゃるなら、その線引きはどこで引きますか? 
 また「勉強するなら携帯電話を持たせてあげる」など、保護者側が子どもと取引をするのは反社会的な行動を取るリスクを上げることになりますから、やはり賛成できかねます。
 大事なことは、家庭で決めたルールを大人は譲らないことです。そのとき、母親はダメだというけれど父親はOKする、両親はダメだと言うけれど祖父母はOKするなど家庭内の大人の間で言動の統一が取れてないと子どもにはルールは入りません。つまり、大人側に決めたことは徹底する強さが求められます。
 そのためにも、最初にルールを決めるときにメタ・ルール(ルールを支配するルール)を決めておくといいでしょう。たとえば、リカちゃんのような場合なら「携帯電話は大人が送り迎えできないときにのみ持たせる」などです。子どもの言い分に妥協する形でルールを破ってしまうことは、子ども自身が将来的に不利益をこうむることにつながります。
 ちなみに、子どもは材料としていじめを持ち出してきますし、実際にいじめられることもあるかもしれません。ですが、これについては別の観点が必要です。本誌でも紹介していきますが、いじめなど逆境に強い子どもに育てることのほうが、社会を生き抜く力に直結し、将来の自立や社会参加を踏まえるとプラスになります。
2010.06.14
4歳の息子は感情の起伏が激しく、興奮のあまり泡を吹いて気絶したことも。これって病気?
4歳の息子は感情の起伏が激しく、思いどおりにならないと、ところかまわず床に転がって火がついたように大泣きしたり、過呼吸のようになったりしてパニックになります。ときには暴力的になって、他人にはしませんが私のことを殴ったり蹴ったりすることもあります。2歳半のとき、そういう状態になり白目をむいて泡を吹いて気絶したこともありました。幼稚園の先生にはADHD(注意欠陥多動性障害)や自閉症ではないかと言われ、大変ショックを受けています。病院にはまだ行っていません。どうしたらいいでしょうか? (マモルくんママ 33歳 愛知県)
 マモルくんママに事情を伺いました。乳児のころからかんしゃくや夜泣きもひどく、育てにくい面があったそうです。偏食やこだわりなどが強いと思ったことはなく、幼稚園には元気に通い、お友達もたくさんいるし、みんなとも仲良く遊べているそうです。思いどおりにならなくても、幼稚園で泣き叫んだり、お友達に暴力をふるったり、白目を剥いて気絶したり、ということはこれまで一度もないそうです。
 最近、思いどおりにいかないと激しく泣いたり暴れたりする子どもに対して、ADHDや自閉症などの発達障害だと短絡的に考える教育者や保護者が増えているようですが、この判断は慎重にしてください。発達障害の診断は専門家でも難しく、典型的な状態像を示すからといって安易に障害として捉えることは絶対にNGです。まずはそういった状態像が起こってくる可能性を多角的に考え、いろいろな方向から検討することが必要です。
 マモルくんの場合、「白目をむいて泡を吹いて気絶した」点が気になりました。ADHDなどの機能不全を疑うまえに、まずは神経系の疾患等がないかを一度調べてみてください。
Index
質問募集中!品川裕香さんへのご質問はこちらからどうぞ。
page top